ライブレポート めんそ〜れ vol.17

ピンからピンまで vol2 

         2003.5.17 高円寺無力無善寺

桑 原 滝 弥

1、Verite Verite

2、H・B・D

3、光

4、ハピネス

5、赤馬車

6、無と無

 後半戦は桑原滝弥による詩の朗読からスタート。

 彼の詩では、以前見たプロレスの技の名前をコミカルかつ巧妙につなげた詩が強烈な印象に残っているのでありますが、この日はやってくれなくてちょっと残念。

 ただ、その詩をやらなかったこと、そして、この日朗読したなかに、コミカルものがなかったこと、は、個人的にはある意味で非常によくわかるような気がするのであります。なんとなれば、コミカルな詩というのは、コミカルものとして、よくできていればいるほど、同じ客には1回しか聞かせられないわけで、本気で取り組もうとすると、消耗度が相当に激しいのであります。(経験者は語る?)

 コミックソングにも同じことは言えるわけですが、こちらはメロディーもしくはアレンジを工夫することによって、2回め以降は笑えはしないが、聴くことはできるようにする余地はかなりあると思っていて、現在私はいろいろ試行錯誤してるわけなんですが、まあ私のことはさておき。

 そういうわけで、この日の彼の詩はシリアスものオンリーだったわけですが、シリアスものだと今度は、詩の朗読に関心があるという奇特(?)な人以外の層、いわゆる一般ピープルへのアピールが難しくなるわけで、ここらへんに詩の朗読が構造的に抱える困難があるように思うわけですが、あれだけのよくできたコミカルものを作りえた彼は、その困難を越える可能性を持った一人といえるのではないでしょうか。

体脂肪率5%以下だぜベイビー


原  始

1、いれいのうた

2、葵の花の唄

3、お墓

4、音乱

 続いては、原始

 出演キャンセルということになってもやむなし、というウルトラヘヴィーな状況のもとでのライブだったのですが、普段の脱力MCがなかったこと以外は、ヘヴィーな状況を、聴く側に気取らせぬステージであったと思います。

 ところで久保田というお酒は、飲み口がすっきりとしていて、あたかも水を飲んでいるような心地がするのですが、彼女の歌に同じような感触を感じる次第であります。いうなれば、情念系ではありながらも、情念系が陥りがちなおしつけがましさは微塵もなく、平易な言葉による過不足のない歌詞とあいまって、すっと胸に入り込んできて五臓六腑にしみわたる、そんな感じといえばよいでしょうか。

 そしてその歌声、歌詞、メロディーは、三位一体となって、高揚とも陶酔とも癒しとも異なる独自の和風鎮魂歌とでもいうべき世界をおりなしていて、あえて俗まみれの言葉を使わせていただくなら、そんな彼女の歌に私は商業的な可能性を感じるのであります。

サウンドオブサイレンス


T A S K E

1、ス・テ・キ

2、さがみっ子ソング

3、そんなにとおくはないだろう

4、なかよしま

 5、道頓堀食い倒れ物語

6、たのしいな

 続いては、TASKE

 ゴダイゴのモンキーマジックを流しながらのバナナ食い&皮投げ、という儀式から始まったライブは、まさに、僕の前に道はない、僕の後に道はできるけど、誰もついてこれない(ついてこない?)、というまさに誰にも真似できないTASKEワールド満開でありました。

 一言でいえば、絶妙に調子外れな歌、ということになろうかと思いますが、彼の場合、ボーカルだけでなく歌の歌詞とメロディーも絶妙に調子外れなのであります。とにかくその彼ならではの調子外れぶりは実際に聴いて体感してもらうしかないと思います。そして、彼のライブで、ある意味で歌以上に強力なのが、「まあ、とにかくなんていうか、えーまあ、なんつーかなあ、はいっ、えーと、なんだっけ」というTASKE接続詞とでもいうべき言葉が乱発されるMCなのであります。その乱発度たるや、肝心の伝達したい情報(ライブ告知とか)よりもTASKE接続詞のほうが分量が多いという素晴らしさであり、その結果、「えー、次のライブは、なんていうか、来週の土曜日に、はいっ、横浜の、えー、なんだっけ」という、腰がくだけそうなMCができあがるわけで、うーん、しかし、あれはもう一種の話芸といえましょう。あと、この日のライブは持ち時間は一人20分以内だったのですが、全く悪びれることなく、30分以上やってくれました。はいっ!

微妙にヒワイ?


 スパルタ教育

 1、3分クッキング

2、彼氏彼女募集

 最後は、スパルタ教育

 スケッチブックを使用してのたたみかけるようなネタが2つという構成でしたが、無駄ない、スキない、はずさない、の3拍子そろったパフォーマンスでありました。

 個人的にはもっと他のネタも見てみたかったのですが、お笑い系のライブでは、1回のライブで持ち時間5分くらいが、普通のようです。ちなみに桑原氏のところで、消耗うんぬんと言いましたが、お笑いこそ、日々消耗戦のようなものであり、大変な世界であるなと思う今日この頃です。そういう意味では、やる側の精神衛生ということを考えると、音楽のほうがはるかに楽ちんな気がするんですが、音楽をなめてますでしょうか?

 なお8月24日(日)に、渋谷のシアターDで単独ライブがあるとのことで、楽しみであります。

あからさまに不謹慎


kihosh殿によるデジカメでの撮影分はこちら


 出演者のみなさん、スタッフのみなさん、高円寺無力無善寺さん、そして、見に来てくれたお客さんのみなさん、どうもありがとうございました。

レポート:西岡高志 写真:kihosh 

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