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二つの笑顔
笑顔には二種類ある
お愛想の笑顔と本物の笑顔とがある
そして僕は君の本物の笑顔を見たことがない
二才くらいの子供は
こちらが本物の笑顔を向けないと笑顔を返してくれないという
まだお愛想笑顔のやり方を知らないのだろう
お愛想というものが何なのかさえわかっていないのだろう
三才頃になるとたいていの子供がお愛想笑顔のやり方をおぼえるようになる
一口にお愛想笑顔といっても子供によって色々だ
おすまし笑顔の子
おどけた笑顔の子にはにかんだ笑顔の子
中には笑顔とよぶことがためらわれるようなふくれっ面を向けてくる子もいる
でも多分それもお愛想ではあるけれど笑顔なのだ
そして本物の笑顔はお愛想笑顔の陰にかくれながらじっとこちらの様子をうかがっている
人間が一人しかいなければ本物の笑顔は出てくることが出来ない
人間が二人笑顔をかわしているだけでは本物の笑顔は出てくることが出来ない
本物の笑顔は二つの笑顔が飾りようのないものをキャッチボールしている時にだけ出てくることができる
僕が生まれてはじめて笑った時の笑顔よ
二才の君に
届け
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